ヒット商品のアイデアが生まれたきっかけを見るといくつかのパターンがある。まず第1は日常の不便、不満に目を向けたものである。主婦の代表的発明である洗濯糸くず取りや地下鉄乗り換えマップなどがこの部類に入る。
通常人間は不便、不満といったものに対して柔軟に対応できてしまう。しかしこの辺を見逃さないで、何か良い方法はないかと考えることが必要だ。常に不便、不満に対して解決しようと意識しているとアイデアの種が見つかる。
これは感じたことを顕在意識レベルで記憶する訓練をつけることである。それにはいつもメモを持ち歩き、感じたことを忘れないうちに書きとめることである。出来る出来ないといった判断は不要だ。ただ素直に書き出せばよい。
この時、簡単なアイデアも同時に出ることも多いので直ぐに書きとめる。出来るだけ図を用いて、後で見なおした時に問題点や解決方向がイメージしやすくする。
就寝前には1日の色々なことが整理され、課題やアイデアが良くでるので、枕元にもメモが必要になる。電子手帳は便利であるが、ここで使うメモはやはり紙と鉛筆に限る。メモ入力に気を使っていてはアイデアが出にくくなる感があるのだ。
またアイデアが出てくるとき次々に涌き出るといった時があり、この時はメモのスピード感が重要になってくる。
不便、不満といった問題点と、その解決アイデアを整理していくには大学ノートが便利だ。通常のメモ帳にはいつでも体に身につけていられるように、ワイシャツの胸ポケットに入るものでミニ鉛筆がついたものが便利である。女性はハンドバックがあるので、システム手帳が便利そうだ。
このように感じた不便をすぐにメモに残すクセをつけることが重要であり、これにより観察力がつき、普通なら見過ごしてしまうような日常の不便、不満をアイデアの種として敏感に捉えることが出来るようになる。
これらの不便、不満は多くの人が同じように感じているが、顕在意識レベルまで出てこないことが多い。この不満、不便を解決したアイデア商品が出たときに初めて、“これは便利だ、このような商品が欲しかった。”といった潜在意識からの欲求が顕在化するのである。
つまりこの潜在意識レベルの欲求を以下に鋭く、人より早く感じ取るかがヒット商品を生む種になると思われる。それにはメモを取る習慣付けが重要ということである。