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ユーザビリティとは?

2016.06.24
お役立ち

ホームページの世界で、ユーザビリティという単語がすっかり定着してきました。そもそもユーザビリティという言葉は、実用性・使い勝手・操作性・分かりやすさなどといった意味で使われますが、例えば車の運転手が操作しやすいようにスイッチ類を配置するとか、携帯電話の操作をしやすいようにボタンを配置するなど、工業製品にもよく使われる言葉で、極端な話、世の中のあらゆる商品に関係すると言ってもいいと思います。

さて、Webサイトのユーザビリティとは、文字通りWebサイトの使いやすさという意味ですが、インタラクティブ性の高いインターネットというメディアでは、具体的にどのような事を考慮するべきなのでしょうか?

ただ、デザイン性に主眼を置いたエンターテイメントサイトなどは、また違ったアプローチが必要だと思われますので、ここでは対象にはしていません。

Webプロデューサーは、クライアントの要望を形にするだけでは存在意義がありません。ユーザビリティ議論の本質は「コンテンツ」にあるという考えに変わりはありませんが、その上で可能な限りたくさんの人に受け入れられるWebサイトを目指し、ユーザビリティの研究をする事は、プロデューサーの「義務」であると言っても、言い過ぎではないでしょう。なぜなら、既にWebサイトは特定の層だけのものではないからです。

Webユーザビリティとは、Webサイトの「使いやすさ」「実用性」の法則をWebデザインに適用するという技術的なアプローチで、そこには視覚障害者の方や高齢者の方も閲覧しやすいかどうかという議論(アクセシビリティ)も含まれます。具体的には、ファイルサイズや表示幅、色使い、フォントサイズ、レイアウト、ナビゲーション、入力画面のインターフェイス、コンテンツの配置などといった考察を行うもので、その際に大事なことは「対象ユーザ」を明確にする事です。

ユーザビリティの議論では、よく「UCD」という単語が登場します。User-Centered Designの略で、文字通り「ユーザ中心のデザイン」という意味です。ユーザビリティの目的をズバリと表現している言葉だと思います。

この言葉からも分かるように、ユーザビリティの議論は「はじめにユーザありき」からスタートするもので、Webサイトを技術的に検証する前に、「対象ユーザは誰か」を明確にする必要があります。そうでないと、どんな人に合わせたユーザビリティを考慮する必要があるのか分からないため、結果的にあらゆる層を想定した極端な方向に走ってしまいがちだからです。

ユーザ層をある程度特定せずに、漠然とした方向でユーザビリティ項目を満たそうとした場合、行き着くところは「テキストのみ」のような極端なサイトになってしまう事になります。前述の「極端な方向」というのはその意味です。「すべてのインターネットユーザ」を満足させるサイトの構築などは、ほとんど不可能な話であり、繰り返しになりますが、まず「ユーザを知る(対象ユーザを特定する)」事が前提です。

また、ユーザビリティのチェック項目を検証する前に、それらは「技術の進歩」「環境の進化」によって、常に変わる可能性があることも念頭に置くべきでしょう。特にこの業界は「ドッグイヤー」(最近はあまり聞かなくなった言葉ですが…)ですので、昨日の常識は今日の非常識といった事が頻繁にあり得る世界です。

様々な技術の進歩は、ユーザビリティの改善に大きく寄与するもので、以前の常識がそのまま現在にも適用できるとは限りません。例えば、Webユーザビリティのオーソリティとして著名なニールセン博士は、かつてFlashを「99%有害」と言っていましたが、最近は「障害を持つ人にとってかつてはバリアだったものが、先進的なインターネット機能を使う機会を提供するものに変わってきた」としています。

また、Flashを使うためのプラグインも、現在はほとんどのユーザにとって「ダウンロード」の必要性がないものになっています。その意味で、非常に多彩な表現力を持つFlash技術は、使い方によっては決してユーザビリティを妨げるものではないと思います。

時代と共にかつてはマジョリティだったものが、マイノリティになることは当然起こり得ることで、パソコンの性能や接続回線などが数年前とは比較にならないくらい進化している事を考えれば、このような環境の進化を常に考慮し、ユーザビリティの項目を見直す事は大切な作業です。

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